ご挨拶
こんにちは、伊藤真です。
このサイトでは、私の活動内容をご紹介し、“伊藤真”を知っていただくと共に、私が一番大切にしている “日本国憲法の価値”を、日本はもちろん、世界じゅうの皆さんに伝えていきたいと思っています。
私は、「伊藤塾」という法律資格、公務員試験の受験指導校で塾長として、法律を教えています。司法試験合格後から30年以上、法律を教えてきました。
はじめに、私が法教育を始めるきっかけとなった「憲法13条」との出会いについてお話ししたいと思います。
大学生のある時、ジャーナリストをしているアメリカ人の友人に「日本の憲法で最も大切なことは何か教えてくれ」と言われました。小学生の時から、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3原則を覚えさせられて、この3つを書かないとテストでは×(誤り)でしたので、彼にこの3つだと答えました。
しかし、彼は、「3つもいらない、1つだけにしてくれ」としつこく言いました。この3つの言葉の順序を変えてみたり、早口で言ってみたりして私なりに
“工夫”してみましたが、彼の要求するように一言で答えることは結局できませんでした。すると彼は、「何だ、おまえ、日本の憲法で最も大切なことを一言で答えられないのか。それでよく日本人をやってられるな」とまで、私に罵声を浴びせました。そこまで言われることかなと思いましたが、彼のその一言がきっかけで、私は家に帰って、憲法に関する本を取り出して、いろいろと調べてみました。
驚いたことに、どのような憲法の本にも、憲法で最も大切なものが何か書いてありました。それが、憲法13条の「個人の尊重」です。この「個人の尊重」は、「国民主権」「人権尊重」「平和主義」の3原則の根本にあります。アメリカ人の友人のきつい一言がきっかけで一生懸命に憲法を勉強するようになったのですから、彼は私が憲法を学ぶ上での“大恩人”だったと言っていいかもしれません。
この「個人の尊重」には、「人は皆違う」と「人はみな同じ」という相反するような2つの意味があります。
人として尊重される点では人は皆同じ、すなわち、人として生きる価値がある点で人に何ら違いはないのです。また同時に、個人として尊重される、すなわち、人は皆違うのであって、誰一人同じ人がいないからこそ、人は一人ひとりかけがえのない存在なのです。
もう一つ、昔の話しをしましょう。
私は中学生の頃、父の仕事の関係でドイツに住んでいました。ドイツへ向かう飛行機の中から、ちょうどヨーロッパあたりの地上を見下ろした時に、国境の線がないことに気づき、中学生だった私は大変驚きました。それまで、私が見ていた地図では国と国の間には線が引かれていましたから、実際に国境の線があるのだと思っていました。ですが、実際はなかったんです。そんなものは人間が作り出した見えない枠だったんです。
私は枠にとらわれる事が好きではありません。現在、世界中で様々な争いが起きていますが、争いの元は、人種、民族、宗教、国といった人間が作り出した見えない枠で囲われたもの同士の対立です。私はそんな枠にとらわれない世の中にしていきたいと思っています。
世界中には様々な人がいます。国や人種に関係なく、良い人もいれば、悪い人もいる。肌の色が黒い人もいれば、白い人もいる。人には一人ひとり、いろいろな人生があって、一つとして同じ人生はないのです。
一人ひとりを大切にする「個人の尊重」という考えが広まれば、世の中はもっと平和になる、枠にとらわれた人々の争いがなくなり、子供たちが笑って暮らせる世の中になる。そんなふうに考えています。
私は、この憲法のすばらしさを知り、これを広く社会に広めたいと考え、法曹を目指すことを決めました。そして “憲法の価値”を知り、その理念を実現できる法律家、行政官を育成していくために、法律の教育者となることを決めました。
現在は、伊藤塾の塾長としての法教育、弁護士としての訴訟活動、書籍の執筆、講演会などの活動を通して、“憲法の価値”の実現を目指しています。
こんな私の思いに共鳴してくれる方が一人でも増えたらうれしいです。